マーベラス、24年3月期は売上高16%増、営業益2%減に コンシューマゲーム新作が売上寄与も想定下回り減益要因に AM事業は好調継続

  • マーベラス<7844>は、1月31日、2024年3月期の連結決算を発表、コンシューマゲームの新作発売やアミューズメント事業の好調継続、舞台公演売上増加などにより2ケタ増収を達成した。

    一方で、コンシューマゲームの新規オリジナルタイトルの販売が想定以下となり、営業利益は前期比で微減となった。

    なお、最終損益が赤字となっているのは、一部資産の会計上の見積りの変更を行った影響によるものとなる。

    売上高294億9300万円(前々期比16.4%増)
    営業利益24億1500万円(同2.9%減)
    経常利益30億200万円(同2.4%増)
    最終損益5億1700万円の赤字(前々期19億2500万円の黒字)

    セグメントごとの状況は以下のとおり。

    ①デジタルコンテンツ事業 売上高154億3500万円(前々期比9.2%増)、セグメント利益4億7400万円(同39.1%減)
    新作オリジナルタイトルとして、ジュブナイルRPG『LOOP8(ループエイト)』を2023年6月より、アクションRPG『FREDERICA(フレデリカ)』を同年9月より、ファッション&コミュニケーションゲーム『ファッションドリーマー』を同年11月より全世界に向けて発売したが、それぞれ当初の販売計画を大きく下回る結果となり、プロジェクト損失を計上した。一方、前期に国内で発売した『牧場物語 Welcome!ワンダフルライフ』の北米・欧州・Steam版を2023年6月に発売し、好調なセールスを記録した。

    オンライン部門は、2022年10月に配信を開始した『ドルフィンウェーブ』が堅調に推移して通年で寄与したことに加え、『ブラウザ三国志』をはじめとした長期運営タイトルが堅実に収益貢献した。また、子会社ジー・モードが展開するカジュアルゲームも好調に推移し、安定収益として寄与した。

    コンシューマゲームの新作が国内外で複数発売されたことで前期比増収となったが、新作オリジナルタイトル3作品がプロジェクト損失を計上したことが主な要因となり、利益面では減益となった。なお、この結果と昨今の経営環境を踏まえ、ゲーム開発費用の会計上の見積りを変更し、一部シリーズタイトルを除いた現在開発中のゲーム開発資産を損失処理し、特別損失として計上することとなった。

    ②アミューズメント事業 売上高90億2100万円(同15.6%増)、セグメント利益31億700万円(同11.5%増)
    主力であるキッズアミューズメントマシン「ポケモンメザスタ」において、2023年4月に「ダブルチェイン5弾」、同年7月、9月、11月、2024年2月に「ゴージャススター1~4弾」をそれぞれ稼動開始した。イベントへの出展や、他社とコラボレーションした「タグ」の配布キャンペーンなど、積極的なマーケティング・プロモーション施策も寄与し非常に好調な推移となり、2007年の「ポケモンバトリオ」から展開しているポケモンキッズアミューズメントマシンにおいて、過去最高の業績を達成した。

    海外展開中の「ポケモンガオーレ」についても好調に推移し、大きく業績貢献した。また、人気作品「NARUTO-ナルト-」を活用した新作アミューズメントマシンを中国本土において2023年9月より稼動開始し、順調に稼動台数を拡大した。

    ③音楽映像事業 売上高50億3600万円(同48.1%増)、セグメント利益5億3100万円(同1.0%減)
    TVアニメ「女神のカフェテラス」を2023年4月から、「プリキュア」シリーズ20周年施策の一つであるオリジナルTVアニメ「キボウノチカラ~オトナプリキュア'23~」を同年10月から、TVアニメ「望まぬ不死の冒険者」を2024年1月からそれぞれ放送したほか、劇場版プリキュアの最新作「映画プリキュアオールスターズF」が2023年9月に公開となり、シリーズ史上最高の興行成績を収めた。さらに、これらTVアニメ、劇場版のパッケージ商品化を行った。

    また、「ミュージカル『テニスの王子様』」や「舞台『刀剣乱舞』」「ワールドトリガー the Stage」「ミュージカル『憂国のモリアーティ』」などのシリーズ作品の新作公演を実施し好評を博したほか、今期の新規作品として「舞台『吸血鬼すぐ死ぬ』」や「『Dancing☆Starプリキュア』The Stage」「HIGH CARD the STAGE」などの公演を実施した。

    コロナ禍からの回復により舞台公演のチケットやグッズの販売環境が改善し、収益が大きく回復した一方で、事業全体では、一時的なコストの増加および先行投資、舞台公演の補助金縮小の影響などにより利益率が低下し、利益面ではほぼ横ばいという結果となった。

  • ■通期業績予想はレンジ予想で開示

  • なお、2025年3月期通期の業績予想については、以下のとおりのレンジ予想で開示している。

    デジタルコンテンツ事業でオリジナル企画タイトルとしてコンシューマゲーム2作品、オンラインゲーム1作品のリリースを予定しているほか、複数のリメイク作品、インディータイトル、アクイジションタイトルのリリースを予定している。売上高は前期並みの水準以上を見込んでいるが、利益面においては、アミューズメント事業、音楽映像事業において、新規ビジネスへの投資が先行することから、利益率が低下が見込まれる。

    また、コンシューマの大型タイトルのリリースを下半期に予定していることから、今期業績は下期偏重となる見込み。

    売上高290億~320億円(前期比1.7%減~8.5%増)
    営業利益15億~20億円(同37.9%減~17.2%減)
    経常利益15億~20億円(同50.0%減~33.4%減)
    最終利益10億~14億円

株式会社マーベラス
https://www.marv.jp/

会社情報

会社名
株式会社マーベラス
設立
1997年6月
代表者
代表取締役社長 執行役員 兼 デジタルコンテンツ事業本部長 佐藤 澄宣
決算期
3月
直近業績
売上高253億4100万円、営業利益24億8800万円、経常利益29億3100万円、最終利益19億2500万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
7844
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