セガサミーHD、24年3月期は売上高20%増、営業益21%増 遊技機事業やコンシューマ分野の国内・アジア地域向けが好調 子会社Rovioも貢献(※グラフ追加)

  • セガサミーホールディングス<6460>は、5月10日、2024年3月期の連結決算を発表、遊技機事業やコンシューマ分野において主に国内・アジア地域での販売が好調に推移したことに加え、新たにRovio Entertainmentグループ入りしたことにより、大幅な増収、営業・経常増益となった。

    一方で、コンシューマ分野において、欧州スタジオを中心とする経営環境の悪化に伴い、構造改革の実施を決定したことなどにより約192億円の特別損失を計上し、最終利益は減益となっている。

    売上高4678億9600万円(前年同期比20.1%増)
    営業利益568億3600万円(同21.5%増)
    経常利益597億7800万円(同20.8%増)
    最終利益330億5500万円(同28.0%減)

    各セグメントごとの状況は以下のとおり。

    ①エンタテインメントコンテンツ事業 売上高3180億500万円(前々期比12.4%増)、経常利益307億8100万円(同25.3%減)
    コンシューマ分野において、主に国内・アジア地域における販売好調や、Rovioのグループ入りにより、増収となった。一方で、主に欧州コンシューマ分野が低調に推移したことと、それに伴い、構造改革を実施したことにより、減益となった。

    欧州コンシューマ分野の構造改革は、①ラインアップの絞り込み、②人員削減を含む固定費の適正化、③一部開発スタジオの売却を実施した。結果として、エンタテインメントコンテンツ事業の減益の大きな要因となったが、早期に構造改革を実施することで、収益性改善に向けた道筋を整えることができた。また、欧州地域の経営体制の立て直しとグローバル経営体制の強化を目的とし、欧米のパブリッシング機能を統合することで強化、効率化を図るとともに、欧州スタジオにおける開発管理機能の強化を目的として、開発・評価プロセスの見直しを実施した。
    ※欧州構造改革による2024年3月期決算への影響:売上原価約66億円、特別損失約178億円。

    2024年3月期は、国内スタジオ開発の新作タイトル『龍が如く8』や『ペルソナ3 リロード』が、それぞれシリーズ最速で100万本の販売を突破し、また、定番タイトルである『Football Manager 2024』や、ヴァニラウェア社が開発を手掛ける『ユニコーンオーバーロード』などのタイトルも、高い評価を得ることができ、販売が好調に推移した。また、リピート販売や既存のF2Pタイトルも底堅く推移し、2024年3月期の業績に貢献した。

    ②遊技機事業 売上高1359億6900万円(同44.3%増)、経常利益418億7700万円(同102.2%増)
    主力タイトル「スマスロ北斗の拳」を中心に、パチスロ機の販売が好調に推移したことから、大幅な増収・増益となった。「スマスロ北斗の拳」導入後は高い稼働水準を背景に「スマスロ北斗の拳」のリピート販売が進んだほか、複数の新作タイトルも堅調に推移した。その結果、パチスロ販売台数は約18万台となり前期比で大幅に増加した。一方で、パチンコ機の販売台数は約8.8万台と前期比で減少する結果となったが、これは、期中に販売スケジュールを見直した結果、主力タイトルを含む一部のタイトルの販売時期が2025年3月期に変更になったことが要因となっている。2024年3月期に発売した「P北斗の拳 暴凶星」などの各タイトルの販売は概ね堅調に推移している。

    ③リゾート事業 売上高123億5600万円(同7.1%増)、経常利益1800万円(前期32億1700万円の赤字)
    国内のフェニックス・シーガイア・リゾートにおいて、団体客が想定以上の回復を見せ、2期連続の黒字を達成した。韓国・インチョンのパラダイスシティについては、日本人VIPを中心に好調に推移し、2024年3月期の持分法取込額は9億円となり、リゾート事業の黒字化に貢献した。

  • ■「リゾート事業」を廃止し、新たに「ゲーミング事業」を新設

  • 2025年3月期通期の連結業績予想については、以下のとおり。

    なお、2025年3月期は「リゾート事業」を廃止し、新たに「ゲーミング事業」を新設する再編を行う。これは新たな中期計画の戦略、事業ポートフォリオの観点から実施するものであり、新設する「ゲーミング事業」には、海外におけるオンラインゲーミング関連事業や既存の統合型リゾートの運営、カジノ機器の開発・製造などを集約する。

    売上高4450億円(前期比4.9%減)
    営業利益450億円(同20.8%減)
    経常利益480億円(同19.7%減)
    最終利益390億円(同18.0%増)

※業績推移のグラフを追加しました。

セガサミーホールディングス株式会社
http://www.segasammy.co.jp

会社情報

会社名
セガサミーホールディングス株式会社
設立
2004年10月
代表者
代表取締役会長 里見 治/代表取締役社長 グループCEO 里見 治紀
決算期
3月
直近業績
売上高3896億3500万円、営業利益467億8900万円、経常利益494億7300万円、最終利益459億3800万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
6460
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