ボードゲーム創作サークルHot Dog、じゃんけんの"三すくみ"をユニバーサルデザインする特許技術を個人ゲームクリエイターやサークルに無償開放

ボードゲーム創作サークルHotDogは、三すくみの力関係が直感的に伝わるカードデザインの特許技術を、ゲームクリエイターが無償で利用するためのガイドラインを2023年11月26日に公開した。本特許は、文化や言語に依存しないデザイン技術であり、これにより以前は必要だった「水属性は火属性より強い」のような説明を最小限にすることができる。ガイドライン範囲内であれば、ゲームクリエイターはこのデザイン技術を無償で利用することができるという。

ガイドラインは下記WEBページに掲載している。

https://hotdog.hungry.jp/patent-guidelines/
 

■特許について

本特許は一言で言えば、グーチョキパーを使わずにじゃんけん(三すくみ)を成立させるカードデザイン手法。石・ハサミ・紙といった定番のじゃんけんモチーフ、火・水・森といった自然モチーフを使用せずに力関係を表現できるため、ゲームクリエイターが自由な発想で三すくみの世界観を構築することが可能に、また、五すくみなどの複雑な力関係も直感的に表現することが可能となった。

 

■ガイドラインについて

Hot Dogが所有する三すくみを実現するカードデザインの特許技術を、他のゲームクリエイターが無償で利用するためのルールを定めたものが今回のガイドライン。ガイドラインの適用範囲内であれば、ゲームクリエイターは本特許のカードデザインを無償で利用することができる。

ガイドラインは主に、Hot Dogと同じような個人ゲームクリエイター・サークルに対してフォーカスした内容であり、企業等はガイドラインの適用範囲外となる。ガイドラインの適用範囲外の場合は、Hot Dogに別途連絡してほしいとのこと。

 

■ガイドラインの目的

本特許を広く利用してもらうことでHot Dogが考案した三すくみデザインを社会に周知させたい狙いがあるとのこと。

ゲームクリエイターの、

・「ゲームの世界観が独特すぎて、三すくみのモチーフが直感的ではない」
・「ゲームシステム上の複雑な力関係を表現しきれない」
・「カードの情報量が多すぎる」

などのデザイン上での課題の手助けになれば幸い、としている。利用事例として以下のあげた。

◇三すくみのモチーフが直感的ではない、を改善
じゃんけんの古くはカエル・ヘビ・ナメクジで表現していたとされている。しかし現代においては、これらの力関係は直感的ではない。馴染みのない世界観で伝わらない三すくみも、本特許のカードデザインを補助として利用することで伝わるようになる改善例を以下に示する。

 

◇五すくみなどの複雑な力関係を表現しきれない、を改善
五すくみなど複雑な力関係はプレイヤーが覚えられないという問題がある。本特許のカードデザインを用いることで視覚的にプレイヤーに力関係を伝えることが可能になるという改善例を以下に示する。

 

◇カードの情報量が多すぎる、を改善
情報量の削減についての一例として、本特許の要となるカードデザインを前面に押し出したHot Dog作の対戦カードゲーム「three」を紹介する。世界観やモチーフを一切用いることなく、配色のみで三すくみを成立させる非常にシンプルなカードデザインに落とし込んでいる。

 

詳細なルール説明、購入方法は下記WEBページに記載している。
https://hotdog.hungry.jp/get-the-three/
 

■ガイドライン

ガイドラインは下記WEBページに掲載している。
https://hotdog.hungry.jp/patent-guidelines/

【特許概要】
・特許番号:特許第7201185号
・発明の名称:遊戯媒体
・特許登録日:2022年12月26日(特許権者、発明者はHot Dogのメンバー2人の名義。)