凸版印刷がビジネス向けメタバース「MiraVerse」を4月より提供 ユーザーによるワールド構築やデータ管理機能も



凸版印刷<7911>は、2月21日、商談や協調作業などのビジネスコミュニケーションが可能なメタバースサービス基盤「MiraVerse(ミラバース)」を2022年4月より提供開始する。

「MiraVerse」は、メタバース内に現実の色や質感を忠実に再現する真正性の追求と共に、ビジネス利用に必要となる様々な構成要素のデータ管理機能や改ざん対策に加え、アバターの本人認証と安全なコミュニケーションをワンストップで提供するサービス基盤。

■ 開発の背景
昨今、時間や空間の制約を超えた新たなコミュニケーションフィールドとして、インターネット上の仮想空間「メタバース」が注目を集めている。しかし、ビジネスや産業用途での活用には、情報の品質管理やセキュリティの面から、まだまだ発展途上にある。

凸版印刷は従来培ってきた高精細な画像データ処理や、形状を正確にデジタル化する3D計測を始めとした先端表現技術を核に正確な空間再現を実現している。この上にクラウド上で管理された構成要素をユーザーが自由に組み合わせ、フォトリアルな3D空間を生成できるシステムを新たに開発した。

これまで専門性が必要とされたメタバースのワールドを、誰でも簡単に構築することが可能。さらに本人認証を組み合わせたセキュアなアバターコミュニケーションとオリジナルの高精細・低遅延リアルタイムレンダリング機能を組み合わせたサービス基盤「MiraVerse®」として提供することになった。


■ メタバースサービス基盤「MiraVerse」の特長
① 現実空間を正確に取り込んだ高い臨場感のメタバース
建物や製品・アートや自然など、あらゆるものを設計図や3D計測・色彩計測などを用いて正確に3Dデータ化。4K/8Kの高精細・低遅延なオリジナルレンダリングエンジンとの組み合わせで、真正性を追求したメタバース空間を構築できる。さらにインテリアなどでは質感計測技術を用いることで、その風合いまでも忠実に再現、あたかもその場にいるかのような高い臨場感を実現する。

② ユーザーによる自在なワールド構築とデータ管理機能
「MiraVerse」では、現実世界をそのまま取り込むだけでなく、アイデアや図面段階の試作品など実在していないものも含めて様々なデータを自在に組み合わせ、ユーザー自ら全く新しいモノや空間を作り出し、その中で相互コミュニケーションをすることが可能。

また、「MiraVerse®」で活用される全ての情報は高いセキュリティ性を担保したクラウド上で一元管理されるため、ビジネス用途でも活用することが可能。さらに「MiraVerse®」の機能はオープンAPIとしても提供されるため、外部のシステムと連携したサービスの構築も容易に行うことができる。

実際のアート作品と仮想空間を組み合わせたバーチャルミュージアム



③アバター生成管理基盤「アバテクト™」との連携による安全/安心なユーザー間コミュニケーション
メタバース内で自身の分身となるアバターについては、凸版印刷が提供するアバター生成管理基盤「AVATECT™ (読み: アバテクト)」(※1)と連携。アバターの本人確認や、アバターとメタバース間のセキュア連携機能を提供する。これにより、なりすましを防止し、信頼できる相手との安全/安心なコミュニケーションを実現する。

機密性を有する高度な共同作業から多数の人に向けたプロモーション、さらには大型イベントまで、ワールド毎の用途に合わせた最適なセキュリティ環境を提供する。

■ 想定市場
「MiraVerse」はビジネスでの利用はもちろんの事、その豊かな表現能力・コミュニケーション機能を活かし、社会や暮らしなど様々な分野でのワールドの展開を目指す。
・プロモーション:企業ショールームなど正確な商品情報に基づく顧客の購入意思決定のサポート。
・製造・設計: リアルタイムシミュレーションを使った設計やデザインなどの協調作業
・教育・文化・観光: 距離や身体的な制約を超えた、新しい芸術鑑賞体験。



「MiraVerse」の展開イメージ 

■ キャンペーン価格
・初期データ登録料:500万円~/空間
・スペース利用料:50万円~/月間
※構築するメタバースの規模によって価格は変動する。

■ 今後の目標
凸版印刷は「MiraVerse®」を、企業プロモーション/安全教育/ミュージアム/防災訓練など、様々な企業や団体に提供を進め、2025年度では関連受注を含め100億円の売上を目指す。

凸版印刷は今後も、現実空間とメタバースのシームレスな連携による新しいコミュニケーションの場の提供を通じ、誰もが参加しやすく安全/安心で持続可能な社会の実現を目指す。