AQIのネットワークコンテンツ事業の戦略-今後は携帯向けタイトルを強化

AQインタラクティブ<3838>は、第3四半期(2010年4-12月期)の決算説明会資料を開示した。同社の業績については開示直後に記事にしたが、今回は主にソーシャルゲームなどを展開するネットワークコンテンツ事業に焦点を当て、その状況と今後の戦略についてまとめてみた。    ■4-12月期の業績について 4-12月期のネットワークコンテンツ事業は、売上高24億3000万円(前年同期2億2300万円)、部門利益12億6300万円(同5800万円の赤字)と大幅な増収・黒字転換となった。主力タイトル「ブラウザ三国志」の課金アイテムやゲーム要素の追加といった活性化策が奏功したほか、ユーザー層拡大のため、ゲームポータルやソーシャルゲームプラットフォームへのチャネリング展開も推進した。 ただ、四半期ベースで見ると変わる。10-12月期の売上高は8億3500万円(前四半期比2.1%増)と四半期ベースで過去最高となったものの、部門利益は3億4100万円と前四半期比24.1%減(1億0800万円のマイナス)となった。前年同期との比較では大幅な増収・増益となるが、四半期ベースでの数字の変化を見ると、さすがに右肩上がりとはいかないようだ。 同社の決算説明会資料と四半期報告書によれば、部門利益がマイナスとなった要因は、新タイトルの研究開発費などを追加計上したため、とのこと。新タイトル開発に係る研究開発費は、4-12月期で1億3900万円を計上したが、4-9月期だけで、すでに8400万円を計上しているため、10-12月期では差し引き5500万円を計上したことになる。そう考えると、他にも要因がありそうだが、それについては特に言及はなかった。          ■10-12月期の見通し ネットワークコンテンツ事業の2011年3月通期の見通しは、売上高31億3000万円(前期比257.7%増)、部門利益16億4300万円(同407.1%増)と大幅な増収・増益で着地する見通し。 また、2011年1-3月期の見通しは、売上高7億円(前四半期比16.1%減)、部門利益3億8000万円(同11.4%増)となっている。会社側では、下図(説明会資料17ページ)のように、「ブラウザ三国志」の売上が低下すると想定している。しかし、「ブラウザ三国志」の売上は、1月に入っても引き続き堅調に推移していることが確認されており、保守的な予測と解釈しても良さそうだ。     1-3月期では、「ブラウザ三国志」と「ブラウザプロ野球」を重点タイトルに位置づけている。「ブラウザ三国志」については、これまでどおり、継続的なアップデートとイベントでゲームの活性化を狙う一方、チャネリングやプロモーション活動を行っていくことで新規ユーザーの獲得を狙う。また、「ブラウザプロ野球」については、積極的なプロモーション活動を行うことで新規の会員獲得を目指す。 一方、新規タイトルのリリースについては、今後は、携帯電話向けのタイトルを強化する方針。同社では、4月以降、毎月、新タイトルをリリースできる開発体制を構築している、とのこと。第2四半期の決算説明会資料で触れていたようにモバイル関係は業績予想に織り込まれていないため、期中にタイトルリリースは行わないのかもしれない。残りの期間を来期に向けた準備期間に使うのだろうか。また、PC向けのゲームについては特に言及はなかった。 なお、下のグラフは、「ブラウザ三国志」のARPUとアクティブユーザー数の推移となっている。 Copyright © AQ INTERACTIVE Inc. All rights reserved.
株式会社マーベラス
https://www.marv.jp/

会社情報

会社名
株式会社マーベラス
設立
1997年6月
代表者
代表取締役社長 執行役員 兼 デジタルコンテンツ事業本部長 佐藤 澄宣
決算期
3月
直近業績
売上高253億4100万円、営業利益24億8800万円、経常利益29億3100万円、最終利益19億2500万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
7844
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