IOデータ増収増益 テレワーク設備やゲームの巣籠もりが堅調 原価率上昇で営業減益も為替がカバー

アイ・オー・データ機器<6916>は、2021年12月期の第3四半期の連結決算を発表し、売上高43億5700万円(前年同期比0.3%増)、営業利益12億4100万円(同22.8%減)、経常利益17億9200万円(同9.9%増)、最終利益12億3500万円(15.6%増)と増収増益を達成した。

・売上高43億5700万円(前年同期比0.3%増)
・営業利益12億4100万円(同22.8%減)
・経常利益17億9200万円(同9.9%増)
・最終利益13億3500万円(15.6%増)



売上面では、国内市場で、個人によるテレワーク設備の導入やゲーム等の巣籠もり需要、教育環境のICT整備関連の需要は堅調に推移した。また企業系の需要は前期のPC更新需要の反動や活動制限等の影響から低調が続いていたが、年度末には持ち直しの兆しが見られた。生産面においては、半導体や液晶パネル等の不足が深刻化し、価格や供給が乱れたという。また、健康保険証の資格確認手続きのオンライン化に対応する専用端末の開発・営業を通じて、新たな医療事務市場の開拓を進めている。

営業利益は、原価率の上昇により減益となった。そのいっぽうで営業外収益に為替差益4億8600万円を計上したことにより、経常利益は増益となった。

品目別の営業概況は以下のとおりとなっている。

[メモリ]
当部門の売上高は20億5100万円(前年同期比30.2%減)となった。ゲーム機増設用SSDの競争激化による価格とシェアの低下、増設メモリのPC更新需要の反動減、SDカードの販売不振が響いた。

[ストレージ]
当部門の売上高は82億8600万円(前年同期比2.6%増)となった。前年同期との比較において、光ディスクドライブの販売は伸び悩みましたが、TV録画需要の増加等から主力のハードディスクの販売が伸びた。

[液晶]
当部門の売上高は138億300万円(前年同期比1.4%増)となった。月を追う毎にパネル調達の厳しさは増し、止む無く一部に欠品も生じましたが、テレワークや巣籠もり需要、学校への大型モニター導入等の堅調な需要に応えるべく、主力モデルの在庫確保に努めた。

[周辺機器]
当部門の売上高は63億8100万円(前年同期比10.9%増)となった。Web会議や動画配信ニーズの高まりを受けて、USBカメラやスピーカーフォン、ビデオキャプチャー等の映像分野が増収となった。NASや無線LAN等のネットワーク分野の売上は前年実績並を維持した。

2021年3月のシステム本稼働は10月に見送られましたものの、健康保険証の資格確認手続きオンライン化に対応する専用端末「APX-MEDICAL/QC」の販売を開始した。

[特注製品]
上述の品目のカスタマイズやOEM販売を主とする当部門の取引は手控えられた為、売上高は5億1500万円(前年同期比25.0%減)となった。

[商品およびその他]
自社のラインナップを補完する他社ブランド商品の販売を主とする当部門の売上高は125億3500万円(前年同期比1.5%増)となった。

 
■2021年6月期の連結業績予想(2020年7月1日~2021年6月30日)

2021年6月期の連結業績予想は、

・売上高:550億円(前期比2.1%減)
・営業利益:17億5000万円(同17.7%減)
・経常利益:19億5000万円(同23.3%減)
・最終利益:13億5000万円(同28.0%減)



と直近に公表されている業績予想からの修正に変更はない。