東映アニメ、第3四半期の営業益は2.7%減の119億円 アニメ製作・販売増益も版権と商品販売が前年に及ばず 通期進ちょく率85%に

東映アニメーション<4816>は、この日(1月25日)、2021年3月期の第3四半期累計(20年4~12月)の連結決算を発表し、減収減益となった。アニメ製作・販売が増益となったものの、版権事業や商品販売の減収減益が響いた格好だ。

発表した決算は以下のとおり。

売上高:376億3200万円(前年同期比9.1%減)
営業利益:119億0200万円(同2.7%減)
経常利益:121億6300万円(同4.5%減)
最終利益:86億2400万円(同3.0%減)
 


セグメントごとの経営成績は次のとおり(セグメント間取引金額を含む)。なお、セグメント損益は、営業利益及び営業損失ベースの数値となる。


①映像製作・販売事業
劇場アニメ部門では、7月に映画「人体のサバイバル!」、8月に「東映まんがまつり」、10月に「映画プリキュアミラクルリープ」、11月に映画「魔女見習いをさがして」を公開した。新型コロナウイルス感染拡大による影響や、前年同期にヒットした劇場版「ONE PIECE STAMPEDE」の反動減により、前年同期比では大幅な減収となった。

テレビアニメ部門では、「ワンピース」、「ヒーリングっど ♥ プリキュア」、「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」、「デジモンアドベンチャー:」、「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」、「おしりたんてい」の6作品を放映した。前年同期好調に稼働したゲーム向け音声製作や催事イベント向け映像製作の反動減により、大幅な減収となった。

コンテンツ部門では、劇場版「ONE PIECE STAMPEDE」のブルーレイ・DVDが好調に稼働したことから、増収となった。

海外映像部門では、サウジアラビア向け劇場作品の納品に加え、北米向け劇場上映権、北米・アジア向け映像配信権の販売が好調に稼働したことから、大幅な増収となった。

その他部門では、前年同期好調に稼働した劇場版「ONE PIECE STAMPEDE」の劇場公開に向けた映像配信権販売の反動減に加え、『聖闘士星矢 ギャラクシースピリッツ』のサービス終了により、大幅な減収となった。

この結果、映像製作・販売事業全体では、収益性の高い海外映像の売上が増加したことや、映像展開縮小に伴う売上原価減少等により、売上高は146億300万円(前年同期比6.7%減)、セグメント利益は41億7700万円(同8.5%増)と減収増益となった。


②版権事業
国内版権部門では、「ドラゴンボール」シリーズのゲーム化権販売が、好調だった前年同期の勢いには至らなかったことや、前年同期好調に稼働した劇場版「ONE PIECE STAMPEDE」の劇場公開に向けたタイアップ・キャンペーン向け許諾や遊技機の契約の反動減等により、大幅な減収となった。

海外版権部門では、欧米で「ドラゴンボール」シリーズ、アジアで「スラムダンク」などアプリゲームが好調に稼動したことにより、大幅な増収となった。

この結果、版権事業全体では、売上高は211億9700万円(前年同期比2.5%減)、セグメント利益は103億9100万円(同1.0%減)と減収減益となった。


③商品販売事業
商品販売部門では、前年同期好調に稼働した、劇場版「ONE PIECE STAMPEDE」の劇場公開に向けたタイアップ・キャンペーン向けノベルティグッズ等の販売の反動減に加え、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で商品販売店舗の営業自粛を行ったこと等から、大幅な減収となった。

この結果、売上高は16億700万円(前年同期比53.3%減)、セグメント損失は1億5900万円(前年同期は、億6300万円のセグメント利益)と大幅な減収減益となった。


④その他事業
その他部門では、催事イベントやキャラクターショー等を展開した。新型コロナウイルスの感染拡大によるイベント・催事の延期・中止等の影響から、大幅な減収となった。この結果、売上高は2億7200万円(前年同期比59.3%減)、セグメント損失は1億3900万円(前年同期は、億1400万円のセグメント損失)と大幅な減収減益となった。


 
■2021年3月通期の見通し

2021年3月通機の見通しは以下のとおり。本日上方修正を発表した(関連記事)。

売上高:506億円(前期比7.7%減)
営業利益:140億円(同13.0%減)
経常利益:143億円(同13.1%減)
最終利益:100億円(同12.6%減)





通期計画に対する売上と利益の進捗状況は以下のとおり。

売上高:74.4%
営業利益:85.0%
経常利益:85.1%
最終利益:86.2%
東映アニメーション株式会社
http://corp.toei-anim.co.jp/

会社情報

会社名
東映アニメーション株式会社
設立
1948年1月
代表者
代表取締役会長 森下 孝三/代表取締役社長 高木 勝裕
決算期
3月
直近業績
売上高874億5700万円、営業利益286億6900万円、経常利益297億9100万円、最終利益209億円(2023年3月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
4816
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