【イベント】DWが新作ボドゲ『この天才科学者が首席になれないとでもいうんですか?』を発表!…プロデューサー&共同製作者・BakaFire氏によるトークセッションを開催


ディライトワークスは、10月27日、同社内特設会場にて、新作オリジナルボードゲーム『この天才科学者が首席になれないとでもいうんですか?(以下、この天)』の、遊び方やキャラクターなどの詳細を発表するイベントを開催した。

イベント前半では、本作のプロデューサーを務める立山幸介氏と、日本を代表するアナログゲームデザイナーであり、本作の共同制作者でもあるBakaFire氏が登壇し、ゲーム紹介とトークセッションを実施。後半には、実際にプレイする先行体験会も開催された。

本稿では、トークセッションの内容を交えつつ、本作の詳細をお届けする。


▲ディライトワークスの立山幸介氏(写真左)と、「BakaFire Party」代表のBakaFire氏(写真右)。
 

■ディライトワークス×BakaFireの新作は、天才科学者たちによる点数争奪戦


『この天』のジャンルは、“法則創造×キャラクター育成ゲーム”だ。プレイヤーは、超光学と呼ばれる科学を研究する学院の天才科学者となり、研究成果によって獲得できる“勝利点(VP)”をほかのプレイヤーと競い合い、最後に最も多く勝利点を稼いだプレイヤーの勝利となる。



ディライトワークスとBakaFire氏が共同でボードゲームを作るのは『Dominate Grail War -Fate/stay night on Board Game-(以下、Fate DGW)』を経て2回目。『Fate DGW』のプレイテストをしている最中に、立山氏のほうから「もうひとつ作りませんか?」と話を持ち掛けたのがきっかけだという。その時点でBakaFire氏はいくつか案を温めており、特に押していた原案が本作の元になったそうだ。
 

■透明なカードを組み合わせて、研究開発を進める


『この天』において非常に特徴的なのが、透明なカードを重ね合わせて作成できる“超光学レンズ”で、これがいわゆる研究結果となる。使用すると、所持している素材を勝利点や別の素材に変化させられるという、本作のキーとなるアイテムだ。


▲実物のカード。これを複数枚組み合わせることで超光学レンズを作成できる。

透明なカードは、上下に回転させて組み合わせを変えられるので、より効率的な組み合わせを生み出し、勝利点や素材をいち早く集めるのが勝利への近道だ。また、他人が作った超光学レンズを“説得”というアクションで使用することも可能で、使われた側のプレイヤーは勝利点を得られる。



▲カードの左側が消費する素材で、右側が入手できる素材。これを使用して勝利点を獲得したり、自分に有利な効果が得られる。

BakaFire氏は本作を説明する際に、例として“ワーカープレイスメント”という、手元の駒を労働者(ワーカー)に見立てて、仕事場(プレイス)に配置して進行するという、ボードゲームのルールを上げた。このプレイスの効果に、特定の“対価”を支払って“得点”を得るといったものがあり、この対価と得点を自分で作成できたなら、というアイデアが本作のベースになったとのことだ。

このアイデアを実現するために必要だったのが、特徴的な透明のカード。これを導入しようと思いついたタイミングで、ディライトワークスからちょうど共同制作の話が来たと話した。
 

■プレイスタイルが全く異なる、個性的なキャラクターたち


『この天』には6名のキャラクターが登場し、プレイヤーはその中のひとりとして参加する。キャラクターはそれぞれ個性的な能力を持っていて、中には勝利点の獲得方法が異なるなど、プレイスタイルが大きく異なるのが特徴だ。また、キャラクターは対価を払って“育成”すると、使用できる能力が増やせる。

キャラクターには天才科学者らしく、尖った性格と濃密なバックストーリーが用意されており、これが個々の持つ特殊能力に反映されている。立山氏は、選んだキャラクターによって立ち回りが変化する点と、ストーリーを読むことで、そのキャラクターの最適な行動への理解度が高められるという、本作のユニークなポイントを紹介した。



▲超光学レンズの作成がそのまま勝利に繋がったり、他人の超光学レンズを使用すると勝利点が貰えるなど、各キャラクターのタイプは非常に多彩。他のキャラクターではデメリットになる素材が、逆に勝利点になるものも。

また、本作のコンセプトは“ライトノベル×ボードゲーム=ラノボ”であり、世界観設定やキャラクターが学園ものライトノベルを意識してデザインされている。立山氏は、ルールと世界観をうまくフィットさせるためにラノボが提案されたと語った。


▲デザインへのこだわりはコンポーネントにも表れており、キャラクターの説明が記載された学生手帳や、校内案内図になっているマップ等によって、世界観にグッと引き込まれる。勝敗を決める点数に“優・良・可”といった評価がつくのも面白い。

「世界観はルールに寄り添うべきである」という考え方を持っているというBakaFire氏は、本作のルールが自然に世界観とマッチするように、最初の段階ではSFやファンタジーにする想定だったそうだ。しかし、魅力的なキャラクターをわかりやすくプレイヤーに伝えるために検討した結果、学園ものライトノベルのようなデザインが上がったという。

さらにBakaFire氏は、法則創造(超光学レンズを作成して使用する)の部分だけでテストプレイしたが、最適解のパターンが見えやすく、リピート性が薄くなる問題点があったことを明かした。そこで何度も楽しめるファクターとなったのが、キャラクターだったという。それぞれに個性的な能力を持たせ、育成し様々な能力を身に着けるという要素を追加すると、キャラクターごとに行動のパターンが増え、メリハリがついたそうだ。


 

■科学者のキャラクターたちだからこそ生まれた、“学会っぽさ”


『この天』では前述したとおり、他人が開発した超光学レンズを使用でき、使用された側は点数を得られる。個々でやりたい研究を進めつつ、他人が開発したものも狡猾に利用する、引用されたことで開発した側も利益を得る。BakaFire氏は、この構図を“学会っぽさ”と表現した。まるで研究結果の出し合いのような空気が出来上がり、それがこのゲームでやりたかった「世界観をゲームを通じて体験させる」という部分に繋がったという。

続けて立山氏は、この“学会っぽさ”や科学者あるあるを世界観にうまく落とし込んだと解説。使えるものなら他人の研究も活用しつつ、自分もコツコツ研究するという流れを表現できるように工夫したと語った。


 

■考えることが楽しくなる、ひらめきがスパークするゲーム


トークセッションの最後に、立山氏はボードゲームの市場は紙のカードが多い中、重ねたりひっくり返せる透明なカードを導入し、発想・考えることの楽しさを落としこんだので、是非遊んでほしいと自身の心中を言葉にした。

BakaFire氏は、本作を「複雑でもシンプルでもないゲーム」と称し、だからこそ頭脳のひらめきがスパークするような、クレイジーなゲームであると表現。新しく、かつありえない体験をしたいような方は一度手に取ってほしいと、本作に対する自信をあらわにし、トークセッションを締めた。

『この天』は、11月14・15日に東京ビッグサイトで開催される“ゲームマーケット 2020 秋”にて販売される。会場で購入すると、特典としてゲーム中で使用するコンポーネントを収納できる“「この天」オリジナルデッキケース”がプレゼントされる。

また同イベントのディライトワークスブースでは、本作の体験会を開催。体験会の参加者には、“「この天」ビジュアルステッカー付き成績証明書”をゲットできるほか、Twitterキャンペーンも実施される。気になった方は、“ゲームマーケット 2020 秋”へ足を運んでみてほしい。



 

公式サイト

ディライトワークス株式会社
https://delightworks.co.jp/

会社情報

会社名
ディライトワークス株式会社
設立
2014年1月
代表者
代表取締役 庄司 顕仁
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