シンガポールのゲーム開発会社Virtuos、ロサンゼルスのアニメスタジオCounterPunch Studiosを買収 モントリオールに新スタジオ開設も発表

シンガポールのビデオゲーム開発会社Virtuos(ヴァーチャス)は、10月14日、米国ロサンゼルスを拠点とするアニメーションスタジオのCounterPunch Studiosの買収を発表するとともに、カナダをベースにした新しいコンセプトのアートスタジオ「Virtuos Montreal(ヴァーチャス・モントリオール)」の新設により、北米における戦略的に拡大していく方針を明らかにした。

ビジネスの拡張により、多様なスキル、優れた人材と包括的な専門知識で、高品質なコンセプトやイラストレーションアート、キャラクターモデリングからアニメーションにいたるまでの世界中のパートナーへのタイムリーなサポートを実現する、としている。

VirtuosのCEOであるGilles Langourieux氏は、「CounterPunch Studiosおよびモントリオールの新チームを新たに迎えることを大変嬉しく思います。北米におけるプレゼンスの強化は、世界中のパートナーに最高の才能、最高の技術を提供するVirtuosの使命において、非常に重要な一歩です。CounterPunchの共同創設者Kay Arutyunyan氏と彼女のチームが有するハイレベルな専門性とパッションは、大きな付加価値となります」とコメントした。


■CounterPunch、Virtuosグループに加わる
CounterPunchは、ロサンゼルスを拠点として、10年の3Dアニメーション制作実績を持つ。独自ツールを活用し、顔やボディーのモデリング、リギング(3Dキャラクターに動きを付ける際の仕組みやコントローラー)、ルックの開発やアニメーションサービスなどを提供している。
 
CounterPunchは、独自のブランドアイデンティティを維持しながら、最新の制作スタジオとしてVirtuosのグローバルネットワークに加わる。CounterPunchは、『The Last Of US Part II』や『モータルコンバットXI』などの象徴的なフランチャイズや、今後発表予定の次世代タイトルをサポートしている。
 
CounterPunchの共同設立者であるKay Arutyunyan氏は、同社のゼネラルマネージャに就任する。Virtuosのグローバルアニメーションチームに統合されるスタジオは、引き続き、高品質なキャラクター制作、リギング、アニメーションの専門分野に取り組む。
 
現在CounterPunchのゼネラルマネージャであるKay Arutyunyan氏は「最初の会議をした時から、Virtuosと大いに共感することができました。CounterPunchのチームは、スキルと企業文化、価値観の両方の観点から、業界最大のプレーヤーとの最もエキサイティングなプロジェクトに取り組むという野心を高めながら、Virtuosと助け合い、共に成長する方法をすぐに見出しました。私たちは、キャラクターモデリング、リギング、アニメーションの分野で業界をリードしてきたことに誇りを持ち、今後はVirtuosファミリーの一員として、世界中のパートナーに、独自のアプローチとツールを提供できることを楽しみにしています」とコメント。

さらに、Virtuos 北米エリア・ゼネラルマネージャの Jake Digennaro氏は次のようにコメントしている。「CounterPunchのVirtuosへの加入は素晴らしいニュースです。私たちが拡大しようとしているスキルとサービスを補強できるだけでなく、コアバリューを具現化します。当社と同様に、CounterPunchは人材投資と育成を惜しまず、特に新しい才能を育成する際は、トレーニングとメンターシップの重要性を理解し、同時に、制作には情熱的です。オープンで、誠実で、協力的な精神を持つCounterPunchのチームはVirtuosと良いタッグが組めます。また、ロサンゼルスに実際のオフィスを初めて構えることも嬉しく思います。AAAゲームのアニメーションの仕事を拡大するにつれて、私たちは業界での知名度を高めてきました。今後、素晴らしい人材の今後の活躍を期待しています」
 
 
 
■Virtuos Montreal、カナダのゲーム開発業界の中心地に開設
2019年からモントリオールにビジネス開発オフィスを開設して以来、Virtuosは人材開発プロセスのサポートに注力してきたが、新しいスタジオは、高品質なコンセプトとイラストレーションアートの制作にフォーカスする。
 
Virtuos Montrealは、市内中心部の活気あるエリアを拠点とし、現在は10名のアーティストが所属する。来年にはおよそ2倍の人材の獲得を目標にしているそうだ。David Cheung氏は以前、コンセプトアートスクールSyn Studioのスタディディレクターとして、映画やビデオゲーム業界において前途有望なコンセプトアーティストを育成するトレーニングや教育カリキュラムを監修し、世界で活躍する人材にとって必要とされるユニークなビジョンを、メンターシップを通して提供してきた。
 
現在Virtuos Montrealのスタジオマネージャを務めるCheung氏は「熟練アーティストのチームが、Virtuosに加わることを大変嬉しく思います。モントリオールは刺激的で活気に満ちたアート開発コミュニティがあります。 Virtuos Montreal のスタジオは、Virtuosのグローバルなネットワーク、エンドツーエンドのサービスや業界における功績を活用しながら、最高の人材を選出し、ゲーム業界屈指のポジションを目指します」とコメントした。
 
前述の Digennaro氏は次のように述べている。「リソースが豊富で力強い開発コミュニティのなかで、Virtuosの新しい存在感を確立するこの機会は非常に喜ばしいことです。当社のCheungの熱意と、経験豊富で将来有望な人材を発掘する卓越した能力のもと、今後さらに刺激的な仕事ができるようになります。また、今回新しいオフィスを開設するにあたり、支援をしてくれたケベック州投資公社のチームにも心より感謝いたします」
 
 
 
■Virtuosについて
グローバル・ゲームデベロッパーであるVirtuosは、2004年の設立以来、シンガポール、中国、ベトナム、カナダ、フランス、日本、韓国、アイルランド、アメリカで業務を展開してきた。コンソール、PC、モバイルのAAAゲームタイトル向けに、ゲーム開発および3Dアート制作を専門とする同社には1700名以上のスタッフが在籍し、パートナー各社の業務効率や収益を高めている。設立から16年経った現在、1300以上のプロジェクトに参加し、デジタルエンターテインメント業界を牽引するトップ20社のうち18社と取引をしている。
Virtuos(ヴァーチャス)

会社情報

会社名
Virtuos(ヴァーチャス)
上場区分
kimura
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