gumi、20年4月期の営業益は22.2億円と14.3億円の赤字からV字回復 『FFBE幻影戦争』大きく貢献 開発費や広宣費などコスト効率化も寄与

gumi<3903>の2020年4月通期の連結決算は、売上高198億2700万円(前の期比6.7%減)、営業利益22億2500万円(前の期は14億3000万円の赤字)、経常利益21億2400万円(同16億6100万円の赤字)、最終利益17億5700万円(同16億9500万円の赤字)と大幅黒字転換となった。先日の上方修正に沿った着地である(関連記事)。

主力のモバイルオンラインゲーム「WAR OF THE VISIONS ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス 幻影戦争(FFBE幻影戦争)」が売上に大きく貢献したことに加えて、スタジオ統廃合や効果的なプロモーションの追求に伴うコスト削減も奏功した。

 


なお、gumi Europeの事業撤退に伴う費用に関し、子会社整理損として約2億5000万円の特別損失を計上する見通しだったが、一部費用が減少したこと及び勘定科目の変更があったことから、事業構造改革費用として1億8800万円として確定したとのこと。

セグメントごとの状況は次のとおり。


(モバイルオンラインゲーム事業)
モバイルオンラインゲーム事業に関しては、スクウェア・エニックスと共同開発した「FFBE幻影戦争」を日本語版・海外言語版共に配信を開始し、売上に大きく寄与した。一方、一部主力タイトルに関し、配信期間の長期化に伴い売上が減少したこと、及び不採算タイトルの早期撤退を行ったこと等に伴い、売上高が減少した。しかしながら、上記不採算タイトルの早期撤退を含め、スタジオの統廃合等が奏功し開発運用費が減少したこと、費用対効果を重視したプロモーションの徹底により広告宣伝費が減少したことが奏功した。

この結果、売上高は197億1800万円(同7.2%減)、営業利益は27億8300万円(前の期は8億5100万円の赤字)となった。


(XR事業(VR、AR、MR等))
「SWORDS OF GARGANTUA」が売上に寄与した。また、Tokyo XR Startups等におけるインキュベーションプログラム及び同社グループがジェネラル・パートナーとして参画しているVenture Reality Fundを通じたグローバル投資等を実施し、有力な技術・コンテンツ・人材を有する国内外の有力企業との戦略的な連携を図ってきた。

この結果、売上高は4400万円(前年同期は99万円)、営業損益の赤字は4億0200万円(前の期は4億6200万円の赤字)となった。


(ブロックチェーン事業)
連結子会社であるエイリムと投資先であるdouble jump.tokyoが共同開発した「ブレイブ フロンティア ヒーローズ」が売上に寄与した。合わせて、gumi Cryptosを通じ、新たなテクノロジーを活用する世界各国のブロックチェーン企業に対し、様々な支援を提供した。

この結果、売上高は6400万円(前の期はなし)、営業損益は1億5500万円の赤字(前の期は1億1600万円の赤字)となった。


 
■2021年4月通期の見通し

2021年4月通期の業績見通しは非開示。グループを取り巻く事業環境は短期的な変化が激しいことから、当社グループの業績の見通しについては適正かつ合理的な数値の算出が困難であるため、としている。
株式会社gumi
http://gu3.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社gumi
設立
2007年6月
代表者
川本 寛之
決算期
4月
直近業績
売上高160億0900万円、営業利益4億4700万円、経常損益1900万円の赤字、最終利益4億4500万円(2023年4月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3903
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