コナミHD、20年3月期は営業益38.7%減…新拠点移転に伴う一時費用を計上 コロナウイルス流行でアミューズメントやスポーツ事業に大きな影響も

コナミホールディングス<9766>は、5月14日、2020年3月期通期の連結決算(IFRS)を発表、売上高2628億円(前年同期比0.1%増)、営業利益309億円(同38.7%減)、最終利益198億円(同41.8%減)となった。

自社物件の新拠点「コナミクリエイティブセンター銀座」への移転に伴い、移転前賃借物件の2021年3月期までの退去後家賃等を一時費用として計上したほか、スポーツ事業における固定資産の減損損失ならびに新技術対応のための先行投資などにより減益となった。また、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、グループの製品・サービスの供給に影響が生じた。
 

各セグメントごとの状況は以下の通り。

①デジタルエンタテインメント事業…売上高1534億円(前年同期比8.3%増)、セグメント利益432億円(同1.4%減)
モバイルゲーム『プロ野球スピリッツA(エース)』や『eFootball ウイニングイレブン 2020』(海外名『eFootball PES 2020』)、『遊戯王 デュエルリンクス』などが引き続き好調に推移した。カードゲームでは「遊☆戯☆王」シリーズの新たなラインアップとなる「遊戯王ラッシュデュエル」の発売に向け認知を広げるための各種施策を実施した。家庭用ゲームでは「PCエンジン mini」 のほか『遊戯王デュエルモンスターズ レガシー・オブ・ザ・デュエリスト:リンク・エボリューション』をPS4、Xbox One、Steam向けに発売した。

eスポーツの取り組みとしては一般社団法人日本野球機構(NPB)と共催する「eBASEBALL プロリーグ」のeクライマックスシリーズ・e日本シリーズを開催したほか、「ウイニングイレブン」シリーズのeスポーツ公式大会「eFootball League 2019-20シーズン」には欧州の実際のクラブに所属するプロ選手らが参加した。

②アミューズメント事業…売上高237億円(同14.8%減)、セグメント利益53億円(同36.7%減)
カラールーレットと複数のボールを使った抽選型メダルゲーム「カラコロッタ」シリーズの最新作「カラコロッタめざせ!夢の宝島」や、ピンボールをテーマにしたプッシャー型メダルゲーム「スマッシュスタジアム」の稼働を開始した。「スカイガールズ」シリーズの最新機種「スカイガールズ~ゼロノツバサ~」を発売した。足元は、新型コロナウイルスによるサプライチェーンの停滞が影響した。

③ゲーミング&システム事業…売上高284億円(同8.9%減)、セグメント利益18億円(同62.3%減)
「KX 43」や「Concerto」シリーズを北米市場を中心にオセアニア・中南米・欧州市場へ展開した。カジノマネジメントシステム「SYNKROS」がData Quadrant Awardsのカジノ向けシステム部門でゴールドメダルを受賞した。新型コロナウイルスの感染拡大による部材供給網の納期遅延および世界的なカジノ施設の閉鎖が影響した。

④スポーツ事業…売上高590億円(同7.1%減)、セグメント利益3300万円(同98.5%減)
自宅でも気軽にできるエクササイズプログラム(コナミメソッド)の動画配信に加え、4月からは外出自粛による運動不足解消を目的としたコナミスポーツクラブのオリジナル運動動画「TODAY‘s Video」を公開し、毎日新しいコンテンツを追加している。新型コロナウイルス感染拡大の防止措置として、スクールの臨時休講、一部地域の臨時休館などを実施した。

■2021年3月期予想は未定
なお、2021年3月期通期の予想については、新型コロナウイルスによる影響を現時点において合理的に算定することが困難であることから未定としている。
コナミグループ株式会社
http://www.konami.com/

会社情報

会社名
コナミグループ株式会社
設立
1973年3月
代表者
代表取締役会長 上月 景正/代表取締役社長 東尾 公彦
決算期
3月
直近業績
売上高3143億2100万円、営業利益461億8500万円、最終利益348億9500万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム(ロンドン証券取引所にも上場)
証券コード
9766
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