IGポート、第3四半期の営業益は3.5億円と5.1億円の赤字から黒字転換 アニメ制作の採算改善 「転生貴族」「リンカネ」の電子書籍好調

IGポート<3791>は、4月10日、第3四半期累計(2019年6月~2月)の連結決算を発表し、営業利益が3億5000万円となり、前年同期5億1700万円の赤字から黒字転換に成功したことを明らかにした。アニメ制作での採算性が改善したことに加えて、コミック事業と版権事業も好調に推移したことが主な要因。

これに伴い、経常利益が同3億4800万円(前年同期は5億1800万円の赤字)、最終利益が1億7900万円(同5億0700万円の赤字)とそれぞれ黒字転換に成功した。

売上高については前年同期比2.2%増の68億4300万円だった。アニメ制作と版権事業の売上が低下したものの、出版事業で「リィンカーネーションの花弁」と「転生貴族の異世界冒険録」販売が好調だった。書店向け売上は前年並みだったが、電子書籍が好調だったとのこと。出版セグメントの売上は同38.9%増と大きく伸びた。

 


各セグメント別の状況は以下のとおり。


① 映像制作事業
売上高は45億5500万円(同2.9%減)、営業利益は1億4300万円(同5億3100万円の赤字)だった。

劇場用アニメ「サイダーのように言葉が湧き上がる」、配信用アニメ「攻殻機動隊 SAC_2045」、テレビ用アニメ「ハイキュー!! TO THE TOP」「けだまのゴンじろー」等、その他CМ用のアニメを制作した。

引き続きCG制作費や外注費の高騰、制作期間の長期化により厳しい状況が続いているが、納品した一部の作品について改善がみられた。


② 出版事業
売上高は10億8100万円(同38.9%増)、営業利益は1億1600万円(同113.4%増)となった。

月刊誌「コミックガーデン」、コミックス「リィンカーネーションの花弁11巻」「転生貴族の異世界冒険録 3巻」最新巻等、定期月刊誌9点、並びに新刊コミックス・書籍81点を刊行した。

また、既刊コミックスの「リィンカーネーションの花弁」「転生貴族の異世界冒険録」は、特に販売好調であった。書店向け出版売上はほぼ前年並みとなっているが、電子書籍売上は好調に推移している。

マンガドア(漫画配信)の売上は増加傾向で損益も改善しているが、現在は先行投資が続いている。


③ 版権事業
売上高は10億2500万円(同2.6%減)、営業利益は2億1500万円(同496.5%増)となった。

「進撃の巨人」「サイコパス」「銀河英雄伝説」等のシリーズタイトルを中心に、二次利用による収益分配を計上した。

将来の版権収入を獲得するため大型作品への投資先行となってる一方で、前年同期と比較し映像マスター及びコンテンツ資産の減価償却費が減少した。


④ その他
売上高は1億7900万円(同4.7%増)となり、営業損益は3600万円円の赤字(前年同期は300万円円の赤字)となった。雑誌のイラスト描きやキャラクターの商品化、スマートフォン向けアプリなどを展開している。


 
■2020年5月期の見通し

続く2020年5月期は、売上高108億3900万円(前期比22.2%増)、営業利益2億2100万円、経常利益2億2000万円、最終利益1億3800万円を見込む。
 
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