東証、新型コロナウイルスに対する適時開示実務上の取り扱いを通知…45日ルールの緩和や事業活動への影響の早期開示など



東京証券取引所は、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた適時開示実務上の取り扱いについて上場会社宛に通知を行ったと発表した。決算と四半期決算の発表についてはいわゆる45日ルールなどにとらわれず、確定次第、開示することで差し支えないこと、新型コロナウイルス感染症が事業活動に影響が出る場合には早期に開示を検討すること、そして、業績予想に与える影響については合理的な見積りが困難の場合、「未定」としたうえで、合理的な見積もりが可能になった場合にアップデートしてほしいとのこと。


1.決算及び四半期決算の内容の開示
通期の決算内容及び四半期決算内容について、今般の新型コロナウイルス感染症の影響により決算手続き等に遅延が生じ、速やかに決算内容等を確定することが困難となった場合には、「事業年度の末日から45日以内」などの時期にとらわれず、確定次第に開示することで差し支えない。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響により、大幅に決算内容等の確定時期が遅れることが見込まれる場合には、その旨(及び確定時期の見込みがある場合には、その時期)の適時開示を検討してほしい。

また、新型コロナウイルス感染症の影響により、有価証券報告書又は四半期報告書の提出期限の延長申請を行うことを決定した場合には、その旨の適時開示が必要となるので留意してほしい。


2.事業活動等への影響に関する開示
新型コロナウイルス感染症が上場会社各社の事業活動や経営成績に及ぼす影響は、投資者の投資判断及び株式等の価格形成にも影響を与えることが見込まれる。

取引所でも、市場における売買取引の監視等を通じて取引の公正性確保に努めているが、不正確・不明確な情報に基づく価格形成を回避し、投資者に適切な投資判断を促す観点から、役職員や取引先その他の関係者のの健康及び安全の確保を最優先したうえで、可能となった時点では、速やかにかつ積極的に、影響等に係る情報開示を検討してほしい。


3.業績予想に関する開示
新型コロナウイルス感染症が事業活動及び経営成績に与える影響により、決算内容の開示に際して業績予想の合理的な見積もりが困難となった場合や、開示済みの業績予想の前提条件に大きな変動が生じた場合などにあっては、その旨を明らかにして、業績予想を「未定」とする内容の開示を行い、その後に合理的な見積もりが可能となった時点で、適切にアップデートを行うことなどが考えられる。

4.その他
これらのほか、新型コロナウイルス感染症に関連して、重要な会社情報の適時開示等について困っていることがあったら、遠慮なく取引所まで相談してほしい。