モブキャストHD、19年12月期は減収・赤字幅拡大 新作ゲーム不振、トムスへの先行投資も

モブキャストホールディングス<3664>は、本日(2月13日)、2019年12月期の連結決算を発表し、売上高67億円(前の期比7.5%減)、営業損益9億9800万円の赤字(同5億3600万円の赤字)、経常損益11億8000万円の赤字(同6億3000万円の赤字)、最終損益14億1100万円の赤字(同12億2100万円の赤字)だった。

モバイルゲーム事業が新作・既存タイトルともに引き続き苦戦したことに加えて、モータースポーツ事業での先行投資負担が響いた。モバイルゲーム事業については、ゲームゲートを中心とするアニメIPを主体とした展開に変更するという。

 


モバイルゲーム事業
売上高は34億6100万円(前の期は54億1500万円)、営業損益は3億4900万円の赤字(同3億6800万円の赤字)だった。新作「劇的采配!プロ野球リバーサル」、「ナナカゲ~7つの王国と月影の傭兵団~」を配信し、 既存タイトルについてはゲーム内施策や機能改善など運営を強化した。一方、買収したゲームゲートについては、その強みであるIPを用いたコンテンツプロデュースを展開し、 順調に推移している。

これら新規の取り組みを行ったものの、新規配信開始タイトルの売上が想定まで達しなかった。モブキャストゲームスにおいて、コストの変動費化を目指したコスト構造改革を行い固定費の削減は確実に進んだものの、売上の減少に伴い売上総利益が減少したことから、赤字幅も拡大した。

モバイルゲーム事業については、収益力の向上による継続的な赤字解消のため、かねてよりモバイルゲーム事業にプラスとなる相手先との資本業務提携について検討しており、前述のとおり2019年11月にゲームゲートの株式を取得した。今後は、ゲームゲートの持つニッチ領域におけるIP発掘能力と、ゲームスが持つ海外ネットワークにより、アニメIPを主体とした多領域展開を行い売上の増加及び利益の拡大を図っていく。


モータースポーツ事業
9ヶ月の数字だが、売上高は24億0300万円(前の期は17億8000万円)、営業損益は2億1100万円の赤字(前の期の実績は1億8600m,万円の黒字)となった。SuperGTでチームチャンピオン、SUPERFORMULAでドライバースチャンピオンと好成績を獲得し、自動車レースでの上位入賞がもたらす常勝チーム「トムス」のプレゼンスの維持向上により、トムスブランド製品の品質をアピールし、商品開発車種の増加と海外販売及びネット販売等による販路拡大の基盤づくりを行っている。

売上については、成長余地のある自動車用品販売の拡大に注力し、TOM'Sプレミアムエンジンオイル「TOM'S LUB」の取扱い店舗数は473店舗(2019年12月末現在)と着実に増えている。また、開発しているコンプリートカーにおいては6車種(2019年12月末現在)を販売中であり、さらなる開発に取り組んでいる。一方、用品販売売上拡大のための商品開発用車両の新規購入、人員の採用を積極的に行ったものの、これらの新商品や人員の稼働が本格化する前であることから費用を売上でカバーできなかった。


キッチン雑貨事業
売上高は7億4700万円、営業利益は6200万円と、順調に推移している。ゆとりの空間は、雑誌やテレビなどメディアでなじみ深い料理研究家の栗原はるみ氏が暮らしを楽しむアイディアやライフスタイルを提案する生活雑貨ショップ「sharewith Kurihara harumi」とレストラン&カフェ「ゆとりの空間」をプロデュースし、オリジナルの食器やキッチン雑貨、調味料、インテリア小物、エプロン、ウェアなどを全国の百貨店、アウトレットなどで事業展開している。同社は、9月27日に同社株式を取得し連結子会社化し、第4四半期より連結を開始した。秋の台風の影響による一時的な売上減少等があったものの利益確保のためのコントロールを確実に実施した。


 
2020年12月通期

続く2020年12月期は、売上高92億8600万円~93億8300万円(前期比38.5%増~40.0%増)、営業損益3900万円の赤字~5200万円の黒字を見込む。

 
株式会社モブキャストホールディングス
https://mobcast.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社モブキャストホールディングス
設立
2004年3月
代表者
代表取締役CEO 藪 考樹
決算期
12月
直近業績
売上高33億7100万円、営業損益4億2800万円の赤字、経常損益4億3600万円の赤字、最終損益3億8000万円の赤字(2023年12月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3664
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