エイチーム、マルチデバイスタイトルは「ガチャモデルから脱却したい」 IPはグローバルで訴求可能なものに ゲーム事業の新方針を説明

▲2019年6月14日の決算説明会で撮影


エイチーム<3662>の中内之公エンターテインメント事業本部長は、9月13日に実施した決算説明会の質疑応答で、今後リリースする新作については、従来展開してきた「ガチャモデル」から脱却し、マンスリーパスなどを前提としたモデルにしていく考えを示した。

また、スマートフォンとPC、コンシューマゲーム機とマルチデバイスへの対応については、1つのゲームを開発して複数のデバイス向けに配信していくという。基本的なゲームの仕組みを維持しつつ、デバイスごとの相違についてはグラフィック部分で調整していくとのこと。
 


決算説明会で、ゲームを中心としたエンターテインメント事業の方針転換を行うことを明らかにしていた。IPタイトルとグローバル展開を軸にしつつ、スマホゲーム専業から家庭用ゲームやPCゲームも含むマルチデバイス展開を行っていくと発表しており、それを受けた質疑応答となる。

なお、獲得するIPについては、マルチデバイスとグローバル展開する大規模タイトルについては世界的に訴求するIPを活用するとし、国内を狙った中小規模のタイトルについては、一定数ファンが獲得できているIPを選定する方針でいくとも明かした。

この方針転換の背景として、新規のゲームアプリがなかなか大きなヒットにならず、セールスランキングで上がっても上位に定着しづらい状況があると吐露。日本のゲームアプリ市場も横ばいとなりつつあり、海外の企業が日本に進出してきて、閉塞感も感じているという。

他方、エイチームもスマートフォンを中心にアプリ開発を行い、リッチ化する中でコンシューマーゲームとしてリリースしてもユーザーが楽しめる作品が出せるようになったと判断したことに加え、世界中で増えているゲームユーザーに向けて出していくという考えに至った、とした。
 


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株式会社エイチーム
https://www.a-tm.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社エイチーム
設立
2000年2月
代表者
代表取締役社長 林 高生
決算期
7月
直近業績
売上高275億5200万円、営業利益5億4300万円、経常利益7億1100万円、最終利益1億4300万円(2023年7月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3662
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