​【連載】★スマホesports★戦の時間だバカ野郎! 第22戦「EVO2018に行ってきたよ!」



※このブログで書かれていることは板垣個人の見解であり所属する組織とは一切関係ありません。

お世話になっております。板垣です。

急に仰々しく始まりましたが、他意はありません。(逆に今まで曖昧だったので、ちゃんと書いておこうという流れでして)

というわけで表題の通り、仕事の関係でEVO2018に行ってきました!(EVO2018自体はググったらすぐに詳細出てくるので、知らない人は見てみてください)

レポート的なモノや結果情報などは、各メディアがちゃんとしたのを出してると思いますので、私の方は、個人的に気になった事をザックリメモしておこうかなと。


 
● EVO2018とは

世界最大級の格闘ゲーム大会です。選手数だけでも、のべ1万人を超える参加数を誇る、巨大イベントです(観戦を合わせるともっと多い)。今年は例年とは異なり、7月ではなく、8月頭の開催となりました。(日本時間の2018年8月4日から8月6日)


 
● 日本人が負けるとアメリカ人が沸く

アメリカ人が日本人に勝つと、とにかくめちゃくちゃ会場が沸きます。著名な日本人選手であればあるほど、沸き方がスゴイです。


例えばこんな感じ。(途中からUSAコールが起きます)


なんだか、「巨悪に立ち向かうアメリカ人」みたいな感じで、もし自分が悪役側で壇上に立っていたらと思うと、ものすごいアウェー感。そんなに俺が悪いのか? と。ただこれは、選手に対するリスペクトでもある模様。純粋な気持ちで祭りを楽しんでいる結果なんだそうです。

当たり前ですが、やはり地元愛というか、そういう楽しみ方は万国共通なんだなと、改めて。自分も、知らない国の人と日本人が戦ってたら、とりあえず日本人応援したくなりますもんね。


 
● 大会の会場はやっぱりホテルがマスト

この話もたまに出るのですが、改めて文字にしておこうかと。

EVOに行って改めて思ったんですが、大会会場はホテルの中(またはホテル併設の所)じゃないとキツイ気がします。EVOはホテルが会場になっているので、すごく便利で快適だったと思います。

出場する選手の行動の一例なんですが、

・試合直前までホテルの部屋で練習やら仮眠
→部屋から試合会場へ直行
→試合後に少し観戦
→自分の番になるまで部屋で休息または練習

こんな感じでした。

esportsということで、ドラマが起きるとスケジュール通りには進みません。その流れで、タイムテーブルも読めず、予定よりも結構遅くなることもあります。選手兼観客が多い大会だと思うので、ホテルが会場を兼務していると色々と便利なのかなと。自室がベースキャンプみたいになってるので、気軽に戻ったり出たり出来るのは強いですね。

もし日本で国際大会を開催するとなったら、この辺りの環境は意識出来ると良いなと思いました。中々条件に合う会場が無いのも課題なのかもしれませんが。

別大会の話で、会場とホテルを車で何往復もした時とかあったもんなぁ(それはそれで面白かったけど)。


 
● 戦う場所が徐々にグレードアップ

他の大会でもそうなのですが、勝ち上がっていくにつれ戦う場所のランクが上がっていくのはテンション上がりますよね(僕が戦ってるわけではないけども、見てるだけでもテンションが上がる!)。

選手のお話を聞くと、やはり壇上から観客を見渡すのは感慨深いモノがある模様。一度経験すると、次も絶対あの場に行きたい!という気持ちになるようです。

戦う場所は、大きく分けると3段階くらい用意されてました。

・全員が平等な形でトーナメントを戦う(その中でも配信台という形でWeb動画になる対決も存在はします)
・勝ち残った上位者が最上位を目指して戦う
・最後に選ばれし8人が戦う

こんな感じ。最初は全員が平等な扱いで雑多な感じで戦っているのですが、勝ち上がるにつれて、特別扱いされていきます。そして、最終日の「各ゲームの選ばれし8人のトーナメント」は、会場が有料観戦になります。

なので、最終日は追加でチケットを買わないと中に入れない仕組みになっており、最終日だけ見に来るお客さんもいるくらいです。それくらい、格式の高いプレミアな大会なので、最後の壇上に立つことは名誉なことなのです(最終日までは、全員が大会エントリー費を払って大会に参加して、選手兼観戦みたいな座組になってます)。

なので、それに合わせて徐々に壇上の見た目もグレードアップしていくのですが、そこの上がり具合が見ててテンションあがるな~と。それに夢があります。




 
● カジノの街とマッチング

esports界隈の会社の人と話してた時に出た話題なのですが、そもそも街がラスベガスということ自体がすでにベストな状況という。

その方曰く、「街全体がエンタメになっているので、試合が無い時も皆が楽しい雰囲気で居れるし、その記憶が日本に帰ってからもこびり付いているので、EVOは良い記憶しかない」と。

これは中々本質的だなと。日本にはカジノはありませんが、ディズニーランドやフジロック的な全体を通して雰囲気や世界観を楽しむ感じなんですかね。

日本で国際大会を開く際も、街全体を通して楽しさの土台作りというか、そもそも、そうなりえる場所をチョイスするような所から、考える必要があるのかもしれません。


 
● スポンサードに配慮したパネリング

cygamesがメインスポンサードということで、どことなくモニター周りもスポンサーに配慮した作りになっていたような気がしました。

最終ステージのメイン画面の横に、選手が使用しているキャラが表示されるモニターがあったのですが、それがなんか少し「シャドウバース」っぽいかな?と(気のせいだったらゴメンナサイ!)。

こういう所まで考えてるEVOはさすがやで!!




 
● というわけで

ざっくりまとめますと、

「街全体がエンタメ感のある地域にある、ホテルの中の会場を使い、スポンサーに気を配りつつ、上を目指したくなるテンション上がる最終日を用意してくれる大会」

を用意することが出来れば、選手を熱狂的に応援したくなる、良い大会になりえるということでしょうか(いや違うか?)。


 
● とある選手が言っていた一言

ある選手が言ってた言葉で、ずっと耳に残っているのがこの言葉。

「急に試合で勝てることは無い。試合で100%の力を出せた人が勝つ」

大会の上位に残るような人たちは、だいたいみんな同じくらいの力だが、試合前のコンディションや緊張などで、結局100%出せずに終わってしまうこともあるらしい。だから、勝つためには「100%の力を常に出せるようにする練習」というモノが必要なのだと。

この辺は、どんな仕事にも当てはまることだなぁ、と身が引き締まる思いです。

と、そんな感じで、今回は締めたいと思います。ありがとうございました!


 
【過去記事アーカイブ】

第21戦「ファイトクラブで体験した、人間模様とドラマ」
第20戦「クラロワリーグに参戦するぞー!」
第19戦「ゲームのプロライセンスに関して」
第18戦「CanadaCup2017を通して、思ったこと」
第17戦「東京ゲームショウ2017に行って思ったこと」
第16戦「プロゲーマーのセカンドキャリアに関して」
第15戦「フランスのESWCに参加してきた!」
第14戦「社内でガチの大会やってみたら、どうなるか?」
第13戦「esportsの、本質的な価値って何だろう」
第12戦「プロゲーマーに関して」
第11戦「闘会議2017に行ってきた」
第10戦「e-sportsの賞金大会に関する謎!!」
第9戦「G-Starに行ってきた。~韓国はe-sports先進国~」
第8戦「Nintendo Switchが賛否両論な件」
第7戦「今更だけど、東京ゲームショウに行った時の話」
第6戦「テクノスポーツを体験してきました!」
第5戦「e-sports大会のRAGEに行ってきた!」
第4戦「ポケモンGOをe-sports化したらどうなる?」
第3戦「ゲーム内に大会機能を同梱するのは、e-sports化の近道??」
第2戦「『にゃんこ大戦争』を、もしe-sports化しようとしたら、どうなる??」
第1戦「『クラッシュ・ロワイヤル』はe-sportsタイトルとなりえるのか?」


 
●著者紹介
 

著者
板垣護
ヤルキマントッキーズ合同会社、CEO。
最近の一言
「なんでEVOとChainaJoyの日取りがカブっているのか!?」