【マイネット決算説明会】年商100億円の目標達成し次のステージへ 年商500億円・「複数の領域No.1を持つメガベンチャー」目指す



マイネット<3928>は、2月14日、2017年12月期の連結結決算を発表、売上高119億5700万円(前の期比75.8%増)、営業利益6億1100万円(同22.1%増)、経常利益5億5000万円(同33.9%増)、当期純利益1200万円(同98.6%減)となった。4期連続で増収増益となった。
 


また、第4四半期(17年10~12月)の業績をみると、売上高30億7300万円(前四半期比0.3%増)、営業利益2億8300万円(同142.9%増)、経常利益2億5500万円(同143.1%増)、最終利益1億4600万円(同238.4%増)と四半期ベースで過去最高売上を更新するとともに、大幅な増益となった。

決算発表の翌日である2月15日に行われた決算説明会に臨んだ上原仁社長(写真)は、年商100億円、300人のグローバルベンチャーを作るとした当初の目標を達成し、次のステージとして「年商500億円、領域No.1のビジネスを複数持つメガベンチャーを目指す」と宣言した。

決算説明会では、決算発表と同時に発表となった戦略子会社「mynet.ai」の設立の経緯と狙いについて、多くの説明の時間を割いていたが、すでに記事として取り上げているため、今回のレポート記事では、第4四半期の決算概況を中心にみていくことにしたい。


 
■第4四半期は減価償却と外注費の抑制で増益

第4四半期の状況を見ていこう。繰り返しになるが、売上高は、前四半期比で0.3%増の30億7300万円と微増となった。この四半期においては、10月に2タイトルのサービス終了を行う一方で、新たに2タイトルの仕入れを行い、売上を伸ばすことに成功した。
 


既存タイトルでは、クルーズから買収したゲーム事業が好調を維持したほか、それ以外のタイトルも堅調に推移したとのこと。買収したタイトルがミルフィーユのように積み重なっており、現在36タイトルを運営しているという。
 


また本業のもうけを示す営業利益は、同142.9%増の2億8300万円と大きく伸びた。買収した3タイトルの減価償却が完了したことで、減価償却費が減少したことに加えて、業務委託人員の適正化による外注費の削減などが奏功したという。ワークフローの標準化を行い、不要なタスクを減らすことができたことが要因とした。
 
 
▲業務委託を含む従業員数の推移。業務の効率化の推進で、業務委託が減ったため、前四半期比で17人の減少となった。

 
▲通期のキャッシュフローの状況だが、フリーキャッシュフローがプラスに転じたとのこと。前期ほど大規模な仕入れを行わなかったことや、営業活動によるキャッシュフローが増えたことが要因。


 
■トピックス

同社の業績を左右するのは、やはりタイトルの「仕入れ」だろう。第3四半期にいったん抑制していた仕入れをこの四半期で再開し、第4四半期では2タイトルの仕入れを行ったとのこと。そのひとつは、『サンリオ男子~わたし、恋を、知りました。~』で、テレビアニメに合わせて2月中に大きなアップデートを行うという。もうひとつは非公開とした。
 


同社では、再設計(リスタート)型の買い取りを強化しているという。ポテンシャルが高く収益の上がっていないタイトルを買い取り、改修を加えることで復活させるという取り組みだ。リスクはあるが、その分リターンも大きくなる。すでに2タイトルで行い、1タイトルについては大型アップデートと海外リリースを行い、大きな成功を収めたとした。
 


2018年は、「再設計型」の案件に重点的に取り組んでいく考えだ。ただ、再設計のための追加開発が必要になるなど、これまでよりもリスクが大きくなるため、開発元のゲーム会社などと収益と費用を折半とするプロフィットシェア方式を導入することなど、各種のリスクヘッジを行っているそうだ。

なお、年度別の投資タイトルの回収状況は以下のとおり。2014年と2015年の改修は完了し、2016年も80%に到達した。2017年は21%となっている。2016年の買い取りではポケラボ案件の回収率が非常に良好で、189%に達したとのこと。クルーズのゲーム事業については47%とほぼ半分となった。
 


このほか、ゲームについては運営期間が経過するとどうしても売上が低下しサービス継続が難しくなるが、パートナーであるINDETAILに運営移管を行うことでサービス継続を実現。現在、6タイトルを運営している。運営スタッフはマイネットでトレーニングを行い、運営ノウハウを伝えているという。


 
■第2四半期は減益見通しに

第2四半期累計(2018年1~6月)の業績見通しは、売上高が65億円(前期比11.7%増)、営業利益が8000万~1億5000万円(同62.2%減~29.1%減)と減益見通しとした。これについては、すでに触れたように、再設計型のタイトル買い入れを増やすため、先行投資が発生するためだ。タイトルの仕入れについては年間で12本、およそ月1本ペースを考えているという。

 
株式会社マイネット
http://mynet.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社マイネット
設立
2006年7月
代表者
代表取締役社長CEO 岩城 農
決算期
12月
直近業績
売上高87億1700万円、営業利益1億6800万円、経常利益1億2500万円、最終利益1億4300万円(2023年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3928
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