DeNA、14年3月期は営業益30%減の531億円…ブラウザゲームの落ち込み響く。1-3月期は100億円割れ、グリーを下回る。

ディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>は、本日(5月9日)、2014年3月期の連結決算(IFRS)の発表を行い、売上収益1813億円(前期比10.4%減)、営業利益531億円(同30.8%減)、当期純利益316億円(同30.5%減)だった。2月5日に発表した業績予想の修正値に沿った着地となった(関連記事)。


 


同社では、「Mobage」では、アプリ市場向けに積極的に新タイトルのリリースを進めたものの、ブラウザ市場向け既存タイトルでの利用低迷を補うまでには至らず、売上収益は前期比で減少した、としている。また、費用面では、国内外で積極的に新タイトルをリリースする一方、コスト管理の徹底を図り、販売費及び一般管理費を中心にコストの節減に努めたという。

セグメント別の状況は以下のとおり。

①ソーシャルメディア事業は、売上収益1558億円(同13.2%減)、セグメント利益571億円(同26.9%減)だった。

国内「Mobage」のモバコイン消費は、前期比15%減の1948億円となった。アプリ市場向けに新規タイトルの投入を推し進めた結果、減少傾向が続いていたMAU(月間アクティブユーザ数)が昨年12月から増加傾向に転じ、同市場での足がかりを築いたものの、ブラウザ市場向け既存タイトルの利用低迷を補うまでには至らなかった。
 

海外では、欧米向けでは提供タイトルのジャンル拡大に向けた新タイトルのリリースが進捗した。また、中国向けでは内製・協業タイトルでヒットが生まれた。セグメント利益は、利益率の高い国内「Mobage」の内製・協業タイトルでの売上収益が減少したことなどにより、前期比で減少した。
 

このほか、ユーザベース構築や新たな収益の柱を育成するため、電子マンガ雑誌「マンガボックス」、仮想ライブ空間「Showroom」といった新規サービスをエンターテインメント分野を中心に立ち上げを行った。


②EC事業は、売上収益187億円(同8.9%増)、セグメント利益37億円(同27.2%減)だった。「DeNAショッピング」、「DeNAトラベル」等で販売促進活動を積極的に展開したことなどにより、セグメント利益が減少した。

総合ショッピングサイト「DeNAショッピング」(「auショッピングモール」を含む)の取扱高が465億円(前期比7.3%増)となった。また、期末の有料法人会員店舗数は4408店(前期末比148店減)となった。

オークションサービスでは、オークションサイト「モバオク」(「auモバオク」含む)は、期末の有料会員数が96万人(同4万人減)となった。

このほか、決済代行サービスを提供するペイジェントは、「DeNAショッピング」等の自社運営ECや一般加盟店での決済規模が拡大した。「DeNAトラベル」等の旅行代理店サービスは、取扱高が順調に拡大。



■1-3月期は営業益100億円割れ

​また、第4四半期(1-3月期)の業績を見ると、売上収益399億円(前四半期比4.3%減)、営業利益97億円(同14.9%減)となった。グリーの1-3月期は、売上高310億円、営業利益99億円だったから(関連記事)、会計基準の違いも考慮に入れる必要があるものの、単純な比較では、ディー・エヌ・エーとグリーの営業利益が逆転したことになる。

 
【四半期売上高・営業利益の推移(単位:億円)】
 
【DeNAとグリーの営業利益の推移(単位:億円)】


 

■4~6月期は営業益61%減となる見通し

2014年4~6月期は、売上収益366億円(前年同期比29.8%減)、営業利益65億円(同61.7%減)、四半期純利益41億円(同57.2%減)を見込む。

 



【四半期売上高・営業利益の推移(単位:億円)】



株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
https://dena.com/jp/

会社情報

会社名
株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
設立
1999年3月
代表者
代表取締役会長 南場 智子/代表取締役社長兼CEO 岡村 信悟
決算期
3月
直近業績
売上収益1349億1400万円、営業利益42億0200万円、税引前利益135億9500万円、最終利益88億5700万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
2432
企業データを見る