ゲームソフト大手6社中5社が営業益改善-ソーシャルゲームの存在感高まる

ゲームソフト大手6社の2011年3月期の決算発表が5月13日に出そろい、本業の儲けを示す営業利益が改善したのは6社中5社だった。収益の変動要因については、家庭用ゲームソフトで伸ばしている会社もあれば、玩具や遊技機で伸ばす会社もあるなど共通項は少ないが、ソーシャルゲームやネットワークコンテンツ関連の存在感が急速に高まっているのは各社でほぼ共通してみられる。 カプコン<9796>は、「モンスターハンター」の新作がヒットし、売上高は過去最高を更新し、営業利益についても前期比155.8%増と大きく伸びた。また、「モンハン日記 モバイルアイルー村」が会員数100万人を突破したほか、「スマーフ・ヴィレッジ」、「ゾンビカフェ」などソーシャルゲーム関連も営業利益が同83.2%増の13億円と好調だった。 コーエーテクモホールディングス<3635>も、「無双」シリーズなど家庭用ゲームソフトだけでなく、「100万人の信長の野望」や「100万人の三国志」などソーシャルゲーム関連も収益に寄与した。オンライン・モバイル関連事業は前の期は8億円を超える損失計上したが、今期は営業利益12億円となっている。 他方、ゲームソフト以外で収益を伸ばしたのは、セガサミー<6460>とコナミ<9766>、バンダイナムコホールティングス<7832>だった。 セガサミーは、営業利益が前期比で89.6%増と大きく伸びたが、これは主にパチスロ機の販売が好調だったことによる。家庭用ゲームソフトは、国内販売が堅調だったものの、海外で苦戦したようだ。 また、コナミも同様に、パチスロやスロット関連が好調だった。家庭用ゲームソフトやソーシャルゲーム関連も順調だった模様だ。「ドラゴンコレクション」の会員数が200万人、「戦国コレクション」の会員数が100万人を突破した。SNS関連の売上高は127億円から158億円に拡大したようだ。 バンダイナムコホールディングスは、玩具販売が好調だったが、ゲームソフトやアミューズメント施設運営についても収益性は改善している。コンテンツ事業のセグメント利益30億円となり、前期の77億円の赤字から大幅に改善している。ソーシャルゲームゲーム「ガンダムロワイヤル」も好スタートを切った模様。 大手6社で唯一、業績面で苦戦したのは、スクウェア・エニックス<9684>だった。大型MMORPG「ファイナルファンタジー14」の有料化の延期に加え、ゲームソフトの販売不振が響いた。ただ、「ニコッとタウン」の累計登録IDが12月に70万IDを超え、「戦国IXA」が8月の課金開始後も順調に伸長。タイトーの乙女ゲームシリーズも加えると、15億円の利益を出したという。